57Feメスバウアー分光分析リーフレット (2021/2/1版)
原理
メスバウアー効果とは、固体中の原子核が反跳に伴うエネルギーの損失なしにγ線を放出・吸収する現象を称し、特定の原子について観測されています。計測方法は、γ線源(Source)を数mm/s程度で振動させることによりドップラー効果でγ線エネルギーを微小に増減させ、試料(Absorber)に照射します。透過型の測定では、試料を透過したγ線を計数して試料内原子の電子状態を反映した吸収スペクトルを得ます。またγ線を吸収した原子核は、脱励起時にγ線とともに内部転換電子も放出します。この電子を計数する手法(CEMS)で基板上の薄膜などγ線が透過しない試料の計測が可能です。
特徴
- 化合物、酸化物内の鉄原子の価数状態
- 物質の磁性状態(常磁性、強磁性)
- 試料温度は室温、77K、4.2K
- 薄膜、ナノ粒子が測定可能
- 試料厚みは数10mmまで
- 内部転換電子法で表面敏感な計測
共用事業で外部ユーザーの測定を受け付けています。
「学外の方の利用」をご覧ください。