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%1976年度電磁物理学10分間テスト問題
\begin{document}
\begin{description}
\item 9月10日\\
クーロンゲージに付いて論ぜよ。
講義ノートの式を書いて、$\nabla^2 \chi_c = \nabla\cdot\vec A$を満足する
$\chi_c $を11.6式に代入したものというのは間違っては居なくても
採用しないよ!

\item 9月17日\\
筑波大学に感度10μV/mの100MHzチューナーを置いた。
富士山頂に置かれたダイポールアンテナを用いてこのチューナーに
信号を送るには、どの程度の電流でこのアンテナを駆動すればよいか?

10日の問題の参考文献を昨日紹介するのを忘れました。
砂川重信著 量子力学 岩波書店 の後ろの方に量子電磁力学?の章
が有ります。 この章のはじめの方にクーロンゲージに付いて少し詳しく
解説が載っていますので、興味の有る人は参考にしてください

\item 9月24日\\
1GeVの電子の軌道を、曲率半径1mで曲げたときには何ワットの輻射が
放出されるか?
これにより、電子には実質的にどの程度の減速度(加速度の反対)がかかるか?

\item 10月1日\\
座標の反変成分による微分演算子は共変ベクトルであることを示せ。

座標の反変成分に対する座標変換を定義し、この座標変換で、微分演算子が
どのように変換されるかを考えれば良い。

\item 10月15日\\
軸性ベクトルと極性ベクトルの例を5個挙げよ。

以下の問題を作ったが、誰かかんがえますか?\\
%\item 学期末テスト案\\
電磁場を記述する2階反対称テンソル$F^{\mu\nu}$を思い出そう。
ここで、$\mu = 1..3$$\nu = 1..3$の部分は、軸性ベクトルである磁場を記述し、
$\mu=0,$ $\nu=1..3$の部分は極性ベクトルである電場を表した。
次のような類推をしてみよう。
軸性ベクトルの代表的は力学量として、角運動量がある。これは、何かある反対称
2階テンソル$X^{\mu\nu}$の$\mu = 1..3$$\nu = 1..3$成分として記述できるのでは
無いだろうか?
このとき、$\mu=0,$ $\nu=1..3$の部分にはどんな力学量である、極性ベクトルが
登場するのだろう?
ランダウとリフシッツの場の古典論を読むと分かります。

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テンソルについての質問をいくらか受けました。どんな本を見ましょうか?
数学関係ならば以下のタイトルの本ならばどれでも良いでしょう
ベクトルとテンソル
ベクトル解析
テンソル解析
代数学と幾何学(山内恭彦)というタイトルの本も有ります。
但し、一般相対性理論を勉強するのでなければ、共変微分は必要有りません
物理では
変形(連続)する物体の力学を先ず挙げるべきでしょう。
そして当然、相対論の教科書ならば大体載って居るでしょう。

ジアドとかジイジックスという概念を使っている教科書としては
伏見康治の現代物理を学ぶための古典力学や
 Morse and Feshbach "Methods of Theoretical Physics" が有ります
後者は英語で約2000ページの大作ですが、物理数学の古典的な手法が
沢山記載されています。プロの物理屋になるならば持っていても損には
ならないでしょう
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\item 10月22日\\
次の2つのローレンツ変換を引き続いて行った変換は、任意の方向への
一つのローレンツ変換では与えられ無いことをしめせ。\\
1)x方向への速度uのローレンツ変換
2)y軸方向への速度vのローレンツ変換

付録 昔出した問題

1974年5月号のサイエンティフィックアメリカンの中でマルチンガードナー
は以下の例を挙げて、特殊相対性理論はおかしいと述べた。
 軸をx軸と一致させて静止系での長さが1mの棒をx軸の正の方向に高速
で打ち出す。 
一方、中心に直径1mの穴の開いた板をxy面に平行に置き、z軸の正の方向に棒
の速度と同じ速さで飛ばせた。両者のタイミングはt=0に原点で中心が一致する
ように合わせてあるとする。
棒の静止系で見るとローレンツ収縮のため、円の直径は1mよりもかなり小さく見
えるとする。
このため、棒は板に衝突する。他方板の静止系で見ると飛んでくる棒はローレンツ
収縮のため1mよりも短く見える。だから棒は板の穴を通過する。
物理現象はどの座標系でも同じでなければならないのに、座標系で異なる結論を下
したのは相対論が内部に矛盾を含んでいる為である。

このガードナーの論理はどこがおかしいのだろう?


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\item 10月29日\\
表皮効果に付いて述べよ。

\item 11月5日\\
お湯を沸かす目的でコップ一杯の水と一緒にスプーンも電子レンジにかけた。
この時、銀のスプーンとステンレスのスプーンではどちらが熱くなるだろうか?\\
これは、一昨年度の期末テストに出した問題です。

\item 11月12日\\
理科年表によると太陽の有効温度は5800度だという。
太陽からの輻射スペクトルの最大強度にたいする波長を計算せよ。
多分現実にはこの逆がなされたのだろう。



\item 学期末テスト案\\
金属の中には何故電場が無いのだろう。物理専攻3年生程度の返事を期待している。

\item 学期末テスト案\\
進行波管の増幅機構について論ぜよ。

\item 学期末テスト案(これは2学期)\\
完全導体で作られた人間的な大きさの導波管を用いて東京から大阪まで一直線にそって
電力を送りたい。
導波管の工作精度はいかほど必要か?

この問題は最初は電線は何故2本(3相交流は3本だが)必要なのだろう?
というものでしたが、周囲の院生からの答を見ると少し難しい様なので
先ず、上の問題を解いてから下の問題に挑戦してください。
上の問題がとけると、下の問題は簡単でしょうし、電線は原理的に百万本あっても
良い事が分かるでしょう。
ヒントはね・・・電線が複数本伝達系では直流からかなりの高周波まで連続的に
エネルギーを伝達できるところにあると思うよ

\item 学期末テスト案\\
TEM波について論ぜよ。

\item 学期末テスト案\\
黒体輻射の最大強度波長の温度依存性を導け。


\item 学期末テスト案\\
7)蛍光灯の電球を考える。元々は蛍光灯は直線的に作られていて、内部に2本の
フィラメントが電子源として取り付けてある。 ある瞬間に電圧は一方のフィラメント
からもう一方のフィラメントに向かってかけられている。電子はこの電圧を感じて
加速されているのだろう。
ところでこの世には、サークラインなぞと呼ばれる丸い蛍光灯がある。この内部では
見かけ上フィラメント間にかけられた電圧とは逆方向に電子が運動しているのだろ
うか?
もっと複雑に電子の経路がまるで迷路のように曲げられた蛍光灯電球も売られている。
電子はどのようにしてこの迷路を辿って一方のフィラメントから他方のフィラメント
へ旅行しているのだろう?

\item 学期末テスト案\\
電磁場テンソルを特殊ローレンツ変換し、静止系での電場及び磁場が運動系で
どのように、観測されるか調べよ。
$(E/c)^2 - B^2$はローレンツ変換に対して不変量である事を具体的に確認せよ

\item 学期末テスト案\\
複数のローレンツ変換を引き続いて行ったものを一つのローレンツ変換と考える。
このローレンツ変換を対称部分と反対称部分に分割し、反対称部分から座標系の
回転が導かれることを示せ。
ここで、反対称部分が時間依存性を持てば、トーマスの歳差が導ける。
変形する物体の力学で習った通りだね。

\item 学期末テスト案\\
サイクロトロン系の加速器では内部のビームを外へ取り出すのに苦労をする。
その対策として、負イオン加速が真剣に検討されることがある。
このときの問題の一つは、負イオンから見るとサイクロトロンの磁場を
ローレンツ変換した時に電場が感じられる事である。
この電場が非常に強いと、負イオンの電子がはぎとられてしまい、中性原子となると
そこで加速は出来ない。
簡単の為に、磁場を1Tとし、$H^-$加速はどの程度のエネルギーまで可能か
概算せよ。




\item 学期末テスト案\\
理科年表によると、polarisまでの距離は400光年である。
地球までの空間には基底状態の水素が1cc中に1個の密度で存在すると仮定する。
polarisからの600nmの光はどの程度減衰しているだろうか?
もしも、水素が完全に電離していると、減衰はどの程度になるか?

\item 学期末テスト案\\
商用の単相交流による電力輸送を想定し、簡単の為に電線の直径を1cm、
電線の間隔を1mとする。
電線に垂直な面を考えたとき、この面内で導線を通って運ばれる電力は
全電力の内のどれくらいの割合かを概算せよ。

\item 学期末テスト案\\
クーロンポテンシャルをローレンツ変換してレナード・ビーヘルトのポテンシャルを
導け。
(この問題は点を取らせるためだけにあるような問題ですね!)



\end{description}
\end{document}


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物理実験3では比例計数管を用いたα線やβ線の検出をやります。

こんな問いに答えてください。
比例計数管の内部にはアルゴンを主体としたガスを使います。
何故アルゴンガスが使われるのでしょう?
(ガイガー計数管ならばアルゴンでなくヘリウムです)

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研究内容
最近では偏極陽子ビームを用いた陽子線顕微鏡でCa原子核を見たら
どんな事になるかというような内容の論文を書きました。
Nucl. Phys. 599(1996)417をご覧下さい

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雑談
こんな問題を解いてください
1)力学  質量が増えると、一般的には物体の運動はゆっくり動く
      様になります。
      おもりを増やすほど、固有振動の周期が短くなる様な
      システムを設計してください。

2)電磁気 ニュートンは太陽光をプリズムで7色に分けたと伝え
      られています。
      このとき、紫の光は赤い光よりも大きく曲られています。
      赤い光と紫の光の運動量は光子だとすると、紫の光の方が
      大きい事は御存知でしょう。
      力学では、大きな運動量の物体の方が小さな運動量の物体
      より一般に運動状態を変え難い(曲げられ難い)と習います。
      何故、大きな運動量の光子の方が曲げられ易いのでしょう?

3)量子力学 水素原子の問題を解いてください。励起状態のエネルギーは
       どの程度の精度で計算できるのでしょう?
       無限の精度で決りませんか? 
       この無限の精度と、不確定性からきまる、励起状態の寿命
       とは矛盾がありませんか?

4)これも量子力学の問題 今度は真面目です。
       散乱問題の漸近形の式を見たことは有りますか?
       $\displaystyle { f(\theta ) \exp{ i k r}  \over r} $
       この式はこのままでは、相互作用の無い領域で確率の保存を
       満足しません。 
       散乱振幅f(θ)にどのような制限が必要でしょうか?
 
       この点に言及した教科書や論文があれば教えてください。